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SS22 "Through the curtain"

SS22 "Through the curtain"

いよいよ立ち上がりを迎えた2022SSに先立ってテーマについて少し書いてみようと思います。 タイトルにある様に2022SSのテーマは"Through the curtain" 外出しないことが当たり前となっていた頃。当然家の中で過ごす時間が増えていく中で目に入るカーテンの存在。窓や壁とは違い、はっきりと内外を区画するわけでもない。内とも外とも取れるその存在、カーテンをフィルターにして見た時の世界の曖昧さがコンセプト。プロダクトとして、そして思想的な部分からカーテンという装飾品を掘り下げて洋服として表現。 メインで使用しているファブリックは多くの人がカーテンと言われた時にイメージするであろう、レース生地。オリジナルの柄組みのレース生地は、着る人、見る人によって様々な印象を与える生地。覆い隠す様で全てを隠さない。そのはっきりとしないフィルターに何処か心地よさが感じられる。国籍や性別によって見え方は違えど、確かな格好よさ、そして心地の良さがある。様々な問題を抱えてる世の中に対しての何らかのメッセージをも内包しているかの様。 曖昧に作られた洋服、恐らくこの言葉だけではマイナスのイメージを持たれる方も多いでしょう。確かな物作りをした上で、それでも尚、残される曖昧さ。言葉や写真、そういったもので全てを理解することは難しいことの様に思います。でもそれもまた今回のテーマの一つ、フィルターのかかった中での洋服の見え方なのかもしれない。一つの価値観、確かな答えの中で見るのではなく、自由な感じ方で洋服をご覧頂けたらと思っています。

21AW"Lining Cupro"

21AW"Lining Cupro"

先述のウールシルクのスーツ地と並ぶ、Nobuyuki Matsuiもう一つの定番生地。こちらはコレクションピースのあらゆるところに使用しています。時には何かの裏地として、時にはそのクオリティの高さから表に出して。 "Lining Cupro" 通常、裏地として使用されることの多いキュプラ素材。世界を見渡しても名だたるメゾンブランドも好んで裏地として使用する、謂わば裏地の最高峰。しかし、そのキュプラ生地のほとんどがここ日本で生産されていることはご存知だろうか。 その裏地として非常に優秀なキュプラを、表地にできる程の太番手の糸で織り、更にはブランドネームを同系色のジャガード織で入れたオリジナルファブリック。 コート、ジャケット、スラックス等の裏地に使用していますが、袖通しや足通りの良さは勿論、高級感のあるオーラはこの裏地によるところも大きいかと。 ここまでに裏地に拘ることにも理由があります。 "Peek inside of the garments" この言葉はブランドオフィシャルのInstagramにも記されているのですが、読んで字の如く洋服の中(=裏)を見てごらんということ。Nobuyuki Matsuiの洋服は裏地をはじめ、裏の使用に非常に拘りを持って製作されている。彼の見てきた本当に良いものを自分の洋服にもしっかりと落とし込んでいる。 それはプロダクトとしての完成度とは別に、その洋服を手にした方に如何に長く着用してもらえるかを考えた結果の物作り。通常、裏というのは見えないものだから手を抜こうと思えばいくらでも抜けるところ。しかしながら彼の手がける洋服は、裏地が高いものになってしまおうと工程が複雑になろうと決して手を抜かない。 その職人気質な物作りの現れの一つにこの裏地がある。裏へのこだわりをより多くの人に見てもらう、理解してもらうことを思って作られたのが"Lining Trousers" 自信を持って製作しているこのライニングを生地として表に出す。それに合わせる様に、自分達の行っている裏の仕立ても表に出す。デザインとしてのインサイドアウトと同時に、プロダクトとしてのインサイドアウト。全ては長く着ることのできる洋服とはどういうものなのかを見てもらう為に。 シーズン毎の製作以上に、定番で作り続けている物にはしっかりとしたコンセプト、洋服作りへのこだわりが詰まっています。実際に着用し続ければわかる、本当の意味で良いものとは何かを教えてくれるアイテムです。 シーズンによりカラーを変えて展開しているアイテムでもあります。今シーズンのカラーリングをぜひこのタイミングで。   【関連商品】 Lining Trousers

AW21 "Bicolour Knit"

AW21 "Bicolour Knit"

定番は定番たる所以がある。 ここ数シーズンでNobuyuki Matsuiのニットの定番的存在となった"Bicolor Pullover" 一見、ただ単に半々で色を切り替えたプルオーバーニット。特に今シーズンはテーマカラーが白と黒ということもあって切替えすらわからない配色になっている。このニットの一体何が良いのか。 よく実際に着てみないとわからないと言われることがあるが、このアイテムは正にその言葉が当てはまるだろう。 単なるカラーの切り替えではなく、素材と編み方を上下で変える事により、奥行きのある表情が楽しめるこのニット。カシミアを極限に詰めて編んだ上部と、逆にウールをふわっと肌触りが良くなるように編んだ下部。ウールを前者、カシミアを後者の様な編み方にするのが一般的。 素材使いとしては上質で繊細なニット、ただ触ってみる、着てみるとまるでスウェットの様な扱いやすさ。質の良いニットは繊細さ故、あまりヘビーに着ることができないイメージですが、毎日の様にでも着ることのできるカシミアニットも、そうないことでしょう。自分自身もほぼ毎日の様に着用している。 シーズンシーズン、テーマに沿って表現されるアイテム。それとはまた別の枠組みで製作される定番ライン。奇を衒うこともなく、寄り添い続けてくれるニットは着用してくれる方々を皆、虜にすることでしょう。   【関連商品】 Bicolour Pullover

AW21 "Wool Washi"

AW21 "Wool Washi"

今シーズンのメインアウター、トレンチコートに使用されているウールと和紙を混紡したファブリック。 和紙を混紡することによるドライなタッチ、着用する毎に出ていく経年変化。男心をくすぐる生地ではないでしょうか。 今回使用しているウールと和紙の糸、これが非常に繊細なもの。そのまま混紡して生地にしたとしても、大変脆く長く着用できないものになってしまう。そこで今回のテーマ"糊=Glue" 糊を使用して糸をコーティングすることにより強度を高める事により、質感は残しつつ生地自体の強度を高めています。これまで染色や糸で糊を表現してきていましたが、生地自体にも糊に関するものを使用。 上記のように、今回はトレンチコートにこの生地を採用。一口にトレンチコートと言ってもそれだけでは終わらせないブランドのパターンメイク。複雑ながら纏まりのある佇まい。 曲線を描く様なフロントのフラップは身頃の脇でマグネット(FIDLOCK)にて留めることのできる仕様。ウェストのレザーコードでウエストの調整が可能、先端には一般的に洋服で使われることのない工業用の部品を熱接着。ボタンは表面の半分を焼いた独特な表情を持つオリジナル水牛ボタンを使用。 キルティングのライナーは取り外し可能、コブラックス製のスナップボタンで高級感を演出。余裕を持たせた身幅により単体、もしくはダウンベストの様に他の洋服の上からの着用も可能。 Macとはまた別の魅力の詰まった一着。是非長く愛用して頂きたい一着となっています。   【関連アイテム】 Wool Washi Trench Coat Pintuck Wader Slacks

AW21"Wool Silk"

AW21"Wool Silk"

定番というものはそのシーズンのものとは違い、数年単位で使用し続けるもの。シーズン毎に作られるものはその時その時の魅力に溢れているが、定番は謂わばそのブランドの顔となる存在。 定番は洋服の形としてだけでは無く、使用している生地にも存在する。Nobuyuki Matsuiでいえばこのウールシルクのスーツ地がそれに当たる。 シルクの混率を微調整し、ウールらしさを損なわず、肌触りの良さと絶妙な高級感に拘ったオリジナルファブリック。100%ウールのそれとは違う表情はこのシルクの配合からなるもの。 今シーズンはこの定番生地を使用して、スラックスを製作。 シルエットのベースは足に沿う様な綺麗なストレートライン。ただ真っ直ぐのラインではなく、人の体に沿う立体感のあるシルエットはブランドならではなパターンメイクと言えるだろう。 今回はウエストポイントにデザインを。覆い被さる二つのベルト。ミリタリーパンツであるグルカパンツにも似たウエストデザインですが、無骨さは一切排除したクリーンな見え方になるのは生地の賜物だろうか。 ウエスト部分とレッグ部分は全く別のパンツ。こういった部分にも今シーズンのテーマ、"Glue"のパターンを切って、貼って繋いでいくといった思想が伺える様な気がしています。 シャツインのスタイルで全体のデザインを活かしていくもよし、ニットやスウェットと合わせてシンプルにスラックスとして履くもよし。着用者によって全く別の表情を見せてくれるアイテム。 是非皆様にもこの良さが伝わって頂ければと思っております。

AW21 "Silver Fox Sweat"

AW21 "Silver Fox Sweat"

ブランドとしては珍しい生地使いだろうか。過去を遡ってもほとんど使用してこなかった洋服にはおいては定番とも言える生地"スウェット"。 一口にスウェットと言っても様々な素材が存在する訳だが、今回使用しているのはシルバーフォックス混。通常、高級な毛皮として使用されるシルバーフォックスを贅沢にも混紡したこれまでに見たことのないような素材。ただのスウェットで終わらせないところがなんともブランドらしいところ。 コットンとウールをベースにした裏起毛のスウェットは、しっかりとした密度で保温性も抜群。リブもウールで編み立てることにより、より高い保温性と高級感のある仕上がりに。下手をすれば一般的なニットよりも温かいのではないだろうか。 デザインとしては至ってシンプル。素材を活かした物作りの中に、左右非対称の袖付け、バックに入る曲線ステッチで表情を出したつくり。 今回は私達が運営するEast End Gallery限定でのカラーも展開。染め特有のあみの強いネイビー。リブ部分とボディのコントラストが強く、ツートーンの様な仕上がり。ブランドのテーマカラーがネイビーということもあり、らしさのあるカラーリングになっているのではないでしょうか。 スウェットでありながらスウェットじゃない。着用すればそんな独特の感覚になることでしょう。普通のスウェットに飽きを感じている方、ニットではない秋冬のインナーアイテムをお探しの方に是非手に取って頂きたいアイテムです。   【関連アイテム】 Sweat Shirts